風俗「あるある」焦ったエピソード

最高の「嬢」と巡りあう

現在44歳の私には、忘れられない風俗嬢がいる。

あれは今から20年前、24歳のある夜のこと。

当時、働いていたブラックな営業会社の独身寮(ワンルームマンション)に入居していた私は、営業成績が良かったこともあり、100万円以上の月収を得ていた。

そうなってくると週末の夜間などは悶々とした性欲をデリヘル(当時はまだマンションヘルスなどと呼ばれていた)などで解消したくなるのがオスの性であり、豊潤な資金にモノを言わせて、一晩に2人を呼ぶなんてこともしばしば。

無論、携帯も大きなガラケーしか存在せず、各家庭にPCなどあるはずもなく、各店にホームページなどもない「ノーインターネット」な時代の話である。

スポーツ新聞の3行広告や集合ポストに放り込まれる怪しげなビラが情報源の全てであったあの当時、希望の女性のタイプを伝えるのはもっぱら「電話をかけた時」であった。

そして伝えてもその通りの女性が来るなんてことは、極めて稀であったかもしれない。

「もしもし、『ひめゆり』です」

「あ、新聞広告見たんですけど……」

「どんな子がタイプですか?」

「30代の人妻っぽい感じで、巨乳の人って居ますか?」

「ああ、居ますよ居ます!すぐ行かせますので住所と番号、お願い致します」

深夜も11時を回ると、送迎の車がマンションの前で停まり、女性を降ろす気配は「音」で分かるものだ。

(来たな……)

そうして玄関の覗き穴から階段を上ってくる女性を見てみると……確かにグラマーなのは間違いなかったが、どう見ても20代前半のギャル系であった。

(あ~……やられたわ……。こちとら生活感のある奥さんタイプがいいのに……)

とはいえ、今更チェンジするのも気が進まず、とりあえずその子で我慢すれば、最悪なことに彼女は愛想のカケラもないそっけない嬢だった。

シラケた1時間の終わり、殆ど自分で手コキをして嬢の胸に果てた私は、彼女が部
屋を出た瞬間に、次の店へと電話をかけていた。

「もしもし、『あさがお』です」

「30代の人妻っぽい生活感ある感じで、巨乳の人って居ますか?違うタイプの人しかいないなら諦めますが……」

「ああ、居ますよ居ます!すぐ行かせますので住所と番号、お願い致します」

「いや、違うタイプの子が来たら「チェンジ」しますよ?大丈夫??」

「大丈夫です、ピッタリな人が居ますから!!」

軽薄そうな受付のオバサンを信じたわけでもないが、もはや時刻は12時過ぎ、躊躇している暇などない。

そして40分後、部屋に現れたのは、近所のスーパーにぞろぞろいそうな30代後半に見える細身の中年女性だった。

「私でいいですか?」

「全然いいんですけど、胸は大きいですか?」

「着やせして見えるかもしれませんが、Eカップです」

「そうですか、どうぞどうぞ♪」

正直、雰囲気は完璧だった。美人ではなく、地味で、幸薄そうで、色白で、控えめ。

しかも一緒にシャワーを浴びてみれば、細身の割には胸はかなり大きく、乳首も黒くてそれが妙にエロかったりしたのだ。

24歳の私は興奮マックスでその「遠山さん」の体にむしゃぶりつき、シャワーとベッドで2回果てた上に、延長までして3回目の発射に成功!

フェラも手コキもそれほど上手ではなかったが、そのはじらいやリアルな人妻感は、自分の好み「そのもの」であった。

(完璧な嬢と出会ったな……)

聞けば、遠山さんの旦那は船上作業員らしく、1度海に出ると数週間は戻らないらしい。

延々続くレス生活に嫌気が差しての風俗勤務とのことだったが、その設定が本当であれ嘘であれ、私が1発で彼女に「ハマって」しまったのは事実だった。

以降、1年間、私はことあるごとに私は「遠山さん」を指名した。

会社を休んで昼間のサービスタイム、高級ラブホテルへ1人で入り、そこで6時間を一緒に過ごしたことさえあった。

脳内は完全に彼女の体に支配され、平日といわず週末といわず、昼夜を問わず、「遠山さん」の指名を続けたのである。

そんなある日、不意に彼女からこう切り出された。

「山田さん(→当然、偽名)、私、今日で終わりなの。今まで本当にありがとうね、楽しかった……」

「えっ!?もう会えないの!!?」

「……ん~……。本当はお客さんと会う気はもうなかったんだけど、山田さんだけにはこっちから連絡するから、携帯番号、教えといて♪」

「マジ??ほんと、心の底から待ってるよ!」

「私、携帯持ってないから家から非通知か公衆電話から掛けるから、通知が出たらちゃんと出てね♪」

「分かった、絶対出る、ずっと待ってるから!!」

そうして2人の蜜月は終わり、以降、ありがちだが、私の携帯電話に「非通知」や「公衆電話」からの着信が入ることは、ついぞ1度もなかったのである。

それから3年後、結婚を半月後に控えた僕は、婚約者である彼女を助手席に乗せ、車を走らせていた。不意に、ポケットの携帯が鳴る。運転しながら取り出して見れば、表示は何と「非通知」である!!

「ん~?どうしたの?停めて出れば??」

「ん~……いやぁ~……仕事の電話だからあとでかけ直すわ……」

「え!?何か怪しい!!?ちょっと貸して!!……って、非通知じゃん!?出ないなら、私が代わりに出てあげるよ!!」

(ヤバいっ!!出会う前のこととはいえ、遠山さんだったらマズい~~!!)

だが事態は、予想だにしない方向へと流れたのである。

「あれ??山田さん??『あさがお』ですけど、今度巨乳のいい子が入ったんですよ~!!是非また呼んで下さいね~♪」

それは、悲惨なことにデリからの営業電話であった。

ただ山田という偽名が僕を救い、彼女が「岡本ですけどどちらにおかけですか!?」と怒鳴ったことで、「間違い電話」ということで話は収まったのである。

教訓1:デリ女は金の切れ目が縁の切れ目。教訓2:デリは偽名で利用すること!!